okatruckの日記

オカヤドカリとダットサン のキャンピングカーのブログです

元旦の小樽の朝 地獄の業火 地獄の訪れの始まり 化学の残像 〜ダットサン キャンピングカーで冬の北海道へ その7〜

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あけましておめでとうございます!!

ああ、なんて清々しい朝なんだ(●´ω`●)

ハッピーニューイヤー、俺 ψ(`∇´)ψ

まだ家族は寝静まっていましたので、このうちにコインランドリーでお洗濯をしましょうかねえ♪( ´▽`)

妻も起きたようで、

妻『実は昨日の夜、こんな状況で、マジでヤバいことになっt』

わい『(∩゚д゚)アーアーきこえない』

今、俺は清らかな元旦の朝を楽しんでるんだ!と

散歩、行くかい?と妻と一緒にコインランドリーまで歩きました

ツルツル、テカテカ

と、道路の真ん中を夫婦で歩いてて、自分がすってんころりんって(^◇^;)

で、次の瞬間ッ!妻もすってんころりんって(⌒-⌒; )

知らないおじさんが、道の真ん中は圧雪して危ないから、はじを歩きなさいね、って(^◇^;)

 

あっ!!セコマ(*゚▽゚*)

オアシスじゃねえか!

って、閉まってた( ˘ω˘ )

結局、この旅でセコマに一回も行けなかった、自分はヽ(´o`;

家族は行ったんですけどねえ

丸瀬布のマイナス20℃の中、な!

 

いいなあ、この雰囲気(●´ω`●)

震えるほどカッコいい!

途中あったお稲荷さんで初詣(*´꒳`*)

なむなむ♪( ´▽`)

お宿に戻る頃にはすっかり明るくなってました

あー、気持ちがいい

しかしまあオシャレだなあ

 

さて、地獄の業火を片付けるか

ひでえもんだ

あー、こりゃひどいな

火事ならなくて良かったよ、マジで('ω')

どうも子供達が夜中にお湯を沸かそうと、電気ケトルを直火に当てたようで

なんとか初期消火は成功したようなんですががが

子供がオドオド、オロオロしてて、母が、パパに任せとけば大丈夫だよって(⌒-⌒; )

このせいで自分が寝てる時にお部屋が騒がしくなったのか、って( ˘ω˘ )←起きない

 

しゃーねえなあ、と頭を少し回して、ピコーン(≧∀≦)

これで交渉してみるか、と

 

わい『すいませんでしたぁ!!電気ケトルを直火にかけてしまい、破壊してしまいました!!』

オーナーさん『まっ、前にも外人さんで同じ事あったんですよハハハ(苦笑い)』

わい『弁償させていただきます!!』

オーナーさん『じゃあ◯◯円で』

は?

 

 

これも、もうダメだろ

いや、コンロもこんな状態で、絶対使わない方がいいですよ!修理できるか分からないですし、一度業者と話をして現場復帰の見積書、お願いします!お金は全て

 

保険屋が払います!!って、ビシって言ってやりましたわψ(`∇´)ψ←個人賠責を使うと決めて、他人のお金をあてにしている

 

と、お宿を後にしました

 

チェックアウトの時、少しラウンジを見学してると

おっ!!

こりゃすげえ!!

精密天秤じゃん!!

いかにも高そうな天秤だ

メトラーかザルトリウスあたりか?

(@_@)ジロジロ

Kuhlmann?

知らないメーカーだ

今はもうこんなメーカー無いな

って、

ひれ伏せ!

北大!!

オレの(心の)母校じゃねえか(つД`)ノ

有機の実験室の備品だったのかあ、と気になって少し調べたら

戦前の有機化学教室で質量分析するのにKuhlmannという会社の天秤を使ってたようですね。

少しググったら出てきたわ

日本分析化学会で紹介されてました。

ちなみに学会名とかは、名前が単純なほど歴史があると思ってもらって大丈夫です。

元の学会からスピンオフしまくって、◯◯〜〜学会って名前が長くなっていきます

 

https://www.jsac.or.jp/bunseki/pdf/bunseki2012/201210wadai.pdf

https://www.jsac.or.jp/bunseki/pdf/bunseki2012/201210wadai.pdf

 

まさにこれ!!


ここで紹介される

Die quantitative organiche mikroanalyse

英語訳すると

The microanalytic quantitation of organic matter

ん?ちょっと雰囲気違うな、こうだな

The quantitation of organic microanalysis、ってな感じか

最初、論文(ペーパー)かと思ったら、ちゃんとした専門書でした(^◇^;)

びっくりした、アマゾンに売ってたわ(・ω・)

https://www.amazon.co.jp/-/en/Fritz-Pregl/dp/3864449146

 

と、もうちょっと調べたら、この天秤の製造を依頼したプレーゲル博士、wikiにも載ってたわ

ja.m.wikipedia.org

で、何に使った天秤かっていうと、有機物はどんな組成(炭素何%、窒素何%とか)かな?ってのを調べるのに使ったんですね。

自分のつたない説明ですが、

 

まず、数ミリグラム単位で調べたいサンプルをこちらの天秤で秤量します。

で、サンプルをヘリウムと酸素の混合ガスの中で完全燃焼させます。有機物=炭化水素化合物は完全燃焼すると水と二酸化炭素に分解されますね。で、得られた水は塩化カルシウム二酸化炭素水酸化ナトリウムで吸着します(逆に吸着すると大変なことになる)。てな感じで吸着管を並べておくんですよ。

で、それぞれの吸着剤の前後重量差から、どれだけ目的の物質が吸着しているかを計算し、質量分析するという古典的な手法ですな。勘がいい方はわかると思うんですが、酸素は無限に供給されたので、酸素の組成比までは分からないという特徴もあります。あと残った灰分(かいぶん)からは、不揮発性のミネラルが調べられるってもんですよ。

 

と、お宿にポツンと置いてある天秤からここまでの事が分かるんですね(●´ω`●)

個人で買える代物ではなく、国費が投入されて購入に至ったと思います。

嗚呼、化学の残像か、と(´-`).。oO

 

天秤じゃないんですが、自分の研究室に古い古い顕微鏡があったんですよ。で、ボスがこれ見よがしにエレベーターホールに飾ってて。

面白がって、顕微鏡の隣に缶ジュースの空き缶とか飾っておいたんですね。

で、イタズラがバレて、Oka君、この顕微鏡はね明治時代の物で、当時は家が一軒建つくらい高価な物だったんだよ、困るよ、空き缶は、って(^◇^;)


日本って面白い歴史があって、明治時代に科学技術を発展させるんですが

戦争して得た賠償金を使って学校を作ったりします。

普通、戦勝国の技術を取り入れるのがセオリーなんですが、日本は敗戦国であったドイツからたくさんの技術を学びました

ドイツに留学した若き日本の化学者、留学先の天秤と同じ物を買い求めて日本に持って帰ってきたのでしょう。

天秤に限らず、実験器具一つとっても所属した研究室の影響を受けるってもんです。

ぼくは天秤はメトラートレド(スイス製)しか使わないんでねキリッ、とか、ピペッターはギルソン(フランス製)しかダメだよ、って偏屈な研究者ができあがる訳ですな

ミクロトームの刃はドイツ製に限る、とかツァイスは一味違うな、と聞いていれば、自分では違いなんて分かんなくても、そんなもんか、とかぶれていくんですよ

 

戦前の研究室のよもやま話を読んだ時に、教官殿が、置いてある天秤を指差して、この天秤は非常に精密で、部屋に入った蝶々の羽ばたきすら感応するのである!とやって、頭の丸い学生たちが、はぇー(゚ω゚)ってなってたとか

まあ蝶々の羽ばたきは大袈裟かもしれませんが、天秤は場所によって表示が変わります。

東京と京都では同じ物を量っても、表示される重さが違うんですよ

何故だと思います?

場所によって重力加速度が違うからですよ

赤道と極では重力加速度が違うんですな。そうすると物が落ちようとする力が厳密には変わるんですよ。

今は自動補正かかりますが、むかーしの天秤の取り扱い説明書には日本地図が載ってて、地域ごとの重力加速度の値が印刷されてたもんです。で、設置した地域の値を入力してたんですね。

 

今や安い天秤でも最低秤量が0.1mg(0.0001g)とかだもんね、すごいね

おっと、話がそれちゃった

それじゃあ(*゚▽゚)ノ